Eureka

テアトル新宿で「ユリイカ」を観てきた。過去に2、3回観たことはあったが劇場で観るのは初めて。

僕は高校生の頃にスヤマという友人と知り合い、彼に映画を教えてもらってから映画が好きになった。最初は大衆映画や名作と言われる有名な映画ばかりを観ていたけど、大学で映画サークルに入ったり、ミニシアターで働くようになってからはシネフィルが好むようなマニアックな映画も好きになっていった。そういう映画を好むようになったきっかけの作品の一つが「ユリイカ」だった。

この作品は九州の田舎町で起きたバスジャック事件の生き残りの人たちが心に負った傷と向き合い進んでいくお話。作品冒頭で宮崎あおいの「いつかきっとみんないなくなる」という独白が示すようにこの作品の監督である青山真治は今年の3月に亡くなってしまった。今回の上映はいわゆる追悼上映のような形だった。

スクリーンで改めて見返すと覚えているシーンと忘れていたシーンが等しくあって新鮮に見れた。序盤 バスジャックシーンの遠巻き集まる警察たちを移す長回し、再生の旅に向かうため役所広司がバスを購入し出発するシーン、宮崎将に無言でバスの運転の仕方を教える役所広司のシーンなど好きなシーンが多すぎる。たむらまさきの撮影が本当に素晴らしい。語るべきものが画面の枠の中に過剰過ぎず少な過ぎず適度なバランスで映し出されている。この映画はセリフも少ないし、表情や動線、仕草が物語ることが多い。ロケーションも福岡や熊本が舞台になっていて、天神にある西鉄インホテルの上階にあるレストランや志賀島のような場所も映される。何より役者たちの九州の方言がコテコテで良い。親戚のおじさんたちの会話を聞いているようで自分には心地よかった。(台詞は聞き取りづらいし、荒っぽい言葉遣いではあるが)

青山監督の死という悲しい出来事がきっかけであったけど、この作品を改めて観ることができてよかったと思う。かつて観た時とはまた違った感動が確かにあった。

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映画の途中でラジカセから流れるジム・オルークの「Eureka」も素晴らしい

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